2006年5月号 連載 [CHALLENGER]
世が世なら杉山淳二は三和銀行の頭取になっていた。金融界も大蔵省もそう見ていた。三和銀が金融大再編の波に飲まれ、UFJグループになっても頭取候補だった。東海銀行などとの経営統合をまとめあげ、統合後の戦略を任された。だが、追われるように関連ノンバンクのアプラスの社長に転出、バンカーとしての人生は終わりだと誰もが思った。 ところが杉山は「復活」する。6月にも新生銀行の会長として、再び大手銀行のトップに返り咲く。かつての「三和銀行のエース」は、新たな舞台で古巣のメガバンク打倒に挑戦しようとしている。 杉山は三和銀で早くから幹部候補生として頭角を現した。店舗規制が厳しかった当時、都市銀行にとって最も重要な経営課題だった店舗戦略を手がけ、関西系の三和銀が、一気に首都圏に進出する足がかりをつくった。 三和銀の2年先輩には杉山の強力なライバルがいた。頭取 ………
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