国民参加の「裁判員」制崩せぬ司法の手づくり
2006年6月号 BUSINESS [インタビュー]
――欧米の法廷ドラマでよく見る陪審員制度が、日本でも「裁判員制度」として3年後に導入されます。無作為に選ばれ、裁判官とともに刑事裁判に参加する確率は一説では310人に1人。戸惑う人のほうが多いのでは。 松尾 大化の改新以来と言われますが、確かに歴史的には天皇制が厳然として存在し、第2次大戦まで国民は臣民で、司法も同じ意識の上にありました。敗戦で国民主権に劇的に変わったのですが、司法だけは相変わらずで国民は専門家にお任せのままでした。しかし日本の司法にとって、判断そのものに国民が参加することが大事です。刑事裁判の根底にある治安の問題を国民が自らの問題としてとらえられるようになるからです。 ――検察、裁判所、弁護士の法曹三者のコンセンサスに、国民は納得していますか。 松尾 1年ほど前、NHKのシンポジウム番組に最高裁事務総長、日本弁護士連合会会長ととも ………
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