「アジア共通通貨」構想が立ち往生

黒田アジア開銀総裁がぶち上げた野心的な構想が中韓米の潰しにあっている。

2006年6月号 BUSINESS

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 ドル、ユーロと並ぶ「アジア共通通貨」のステップにしようと、アジア開発銀行(本部・マニラ)が壮大な夢を抱き、「アジア通貨単位(ACU=アキュ)」構想をぶち上げた。しかし、当初の意気込みとは裏腹に、空回りが目立っている。 成長が著しい巨象・インドの経済拠点であるハイデラバード。5月初め、灼熱のこの地で開かれたアジア開発銀行の年次総会の主役は、黒田東彦アジア開銀総裁だった。 黒田氏は元財務官で、小泉政権の内閣官房参与などを経て、2005年2月に総裁に就任。元財務官の経験、人脈を生かして、アジアや欧米を駆け回り、就任1年余の成果を示す場となった。 総会には、ポスト小泉の谷垣財務相も出席し、アジアの発展などで盛り上がった。だが、本来ならば総会でお披露目されるはずのテーマが抜け落ちた。それが「アキュ」だ。

「日本主導」に異論噴出

 今年初めごろ、黒田総裁や、総裁の側近である河合 ………

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