「徹底した現場主義者」「レジに立って磨いた現場感覚」──。6月24日、中古書籍販売の最大手であるブックオフコーポレーションの社長に昇格する常務の橋本真由美を紹介する文章は、どれも「現場」という言葉のオンパレードだ。実際、パート主婦から16年で社長に昇りつめた橋本は5月17日の記者会見でも「最強の現場の軍団をつくる」と宣言。社長になってからも、「時には気になる店舗のレジに立ってみる」という。だが、橋本はすぐれた現場感覚を身につけていることだけを理由に社長に抜擢されたわけではない。創業者である坂本孝はおそらく、橋本が経営者として不可欠な決断力と判断力をも身につけているからこそ、次の舵取りを任せたのだろう。　2001年。取締役だった橋本は赤字が続いていた子供用品などのリサイクル店舗事業の立て直しに、「私に責任者をやらせてください」と志願した。成果が上がらな ………