2006年7月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
トヨタ自動車の実力者である奥田碩氏が6月の株主総会で経営の第一線から退くが、同氏が推進してきた拡大路線に綻びが目立ち始めている。事業の急拡大に管理能力が追いつかず、トラブルが多発しているのだ。 トヨタは5月30日、「カローラ」など9車種56万台を対象とした、ハンドルの不具合によるリコールを国土交通省に届け出た。4月には看板ブランドの「レクサス」で1万台を超えるリコールも出した。このペースだと過去最悪のリコール数を記録しそうだ。 コスト削減のための部品の共通化などが大量リコールの原因。「事業拡大で技術陣も慢性的な人材不足に悩まされており、設計上の単純なミスに気づかなくなっている」と部品メーカー幹部はいう。さらに、グループ企業も含めて死亡労災事故も多発傾向にある。 6月の株主総会後の役員人事でも、こうした綻びへの対応として品質・安全を専任で担当する ………
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