取締役会を無断欠席、経産OBが一切の役職を捨てた。なぜ厳重な箝口令が敷かれたのか。
2006年7月号 BUSINESS
近年では例を見ないほど厳重な箝口令が敷かれた。5月1日、アラビア石油や富士石油を傘下に持つAOCホールディングスの坂本吉弘社長が突如辞任した一件である。同日のニュースリリースでは「坂本吉弘氏の辞任申し出により、新たな経営体制をとることになったため」とつっけんどんな一文だけである。 坂本氏は持ち株会社社長の座のみならず、子会社のアラ石社長、富士石油会長の座もすべて離れた。顧問や相談役などのポストにも就かないから、AOCとは完全に縁切り状態となる。何があったのか──。本誌はその謎に挑んだ。 最初は箝口令の壁の厚さにたじろいだ。漏れ伝わってくるのは、坂本氏が取締役会を無断で欠席、あとから経済産業省など関係者に辞任を通報してきたという異常さ。関係者は誰も真相を口にしたがらない。 こういう理由隠しの裏には、たいがい本人が入院するなど健康問題があるのが普通 ………
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