「棚橋のコケの一念」と揶揄される「石油資源開発」の滑稽。生殺与奪の権を握るのはガスプロムなのだが。
2006年7月号 BUSINESS
それは、いかにも唐突なプロジェクトだった。 かつての国策会社「石油資源開発」が4月6日に発表した「仙台・いわき間海底ガスパイプライン計画」。東京電力の広野火力発電所が立地する福島県いわき市周辺のガス需要を狙い、宮城県仙台市から約160キロメートルのパイプライン(PL)を敷設するという。石油資源開発は自社の新潟ガス田から仙台市までPLを敷設済みであり、それと接続し、年間最大4億立方メートルの天然ガスを迂回供給する計画だ。 プロジェクトの表向きの理由は、広野火力の燃料となっている磐城沖ガス田が枯渇しつつあり、その代替供給を狙うというもの。ところが、肝心の東電は「それは先方が勝手に言っていること」と素っ気ない。広野火力を除けば、いわき市周辺に大口需要家は見当たらず、何のためのプロジェクトなのか、いぶかる声は小さくなかった。いや、東電のある幹部は警戒を ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。