2006年9月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
合併・統合に向けた水面下の動きがコンビニ業界で進みつつある。まずは、ローソンとミニストップの合併説だ。
「コンビニ業界6位のミニストップを抱えるイオンの岡田元也社長が、ローソンの買収を新浪剛史社長に打診している模様。ローソンの最大株主の三菱商事も同調する意向のようだ」(関係者)。また、伊藤忠商事も、傘下のファミリーマートとユニー系のサークルKサンクスとの統合を計画中といわれる。こうした計画が実現すれば、飽和状態のコンビニ業界の勢力図が激変する可能性もある。
すでに、商品開発では合従連衡の動きが進む。ローソン(業界2位)、ファミリーマート(同3位)、サークルKサンクス(同4位)の3社は8月末から、日本コカ・コーラ、サントリーフーズ、伊藤園と組んで炭酸飲料や緑茶を発売するという。この3社の店舗数は計約2万1千店となり、最大手のセブン–イレブン・ジャパンのほぼ2倍となる。
「その規模を武器に、メーカーから有利な取引条件を引き出し、利益率で優位に立つセブン–イレブンとの将来の値下げ競争に備える狙い」(業界関係筋)もあるようだ。ただ一方では、「3社は競合関係にあり、この種の複数の企業による共同開発は、成功した例がない」(同)との見方もある。