中国で「リベート封じ」ヨーカ堂が通報制度

賄賂社会の悪習を絶とうと、日米の外資が規律強化。されど後を絶たない……。

2006年9月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

 日本に留学経験のある中国人のZ君(25歳)は、蘇州のとある日系企業で通訳の仕事を始めて3年になる。日本の大学を卒業後、蘇州の日系企業2、3社で働いたが、給料は一向に増えない。すでに結婚しており、次の夢はマイカーを持つことだが、このままではなかなか実現できそうもない。 ただ、今の会社で仕入れや販売を担当できるようになれば話は別。社内食堂の購買担当者が今年、国産車から日本車に乗り換えることができたのも“おいしいポスト”だからだ。「いつか通訳をやめて、食堂で買い付けを担当したいな。仕入れ時に“回扣”(リベート)をもらえるから。食事の質を少し落とせば、マイカーもじき手が届くようになる」 あっけらかんとそう語るZ君にとって、リベートの授受は中国社会の単なる習慣のひとつ。決してよいことだとは思わないが、悪いことだという格別の意識もない。 中国では賄賂撲滅運 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。