2006年9月号 BUSINESS [台頭するアジア]
再び経済が過熱し始めた中国で、問題の元凶として土地問題が注目されている。今や中国でも土地(利用権)は高い値で取引され、銀行融資の担保にもなる。土地の利用はすでに「市場化」されているのに、土地供給は地方政府が農民からタダ同然で土地を収用する計画経済の仕組みが温存されている。コストのかからない土地収用が土地を介した担保融資を通じてカネを生み出す。貨幣発行にも似た「土幣」本位経済が農民保護という社会問題だけでなく、地方政府の開発熱を煽り、経済過熱の一因にもなっているというのだ。そのメカニズムを中国の代表的なシンクタンク、北京大学中国経済研究センター(CCER)の周其仁教授が分析し、本誌に特別寄稿した。 * * * * * 中国の都市化、工業化の進展は1990年代中期以降の高度成長を支える原動力になってきた。この動きは今後20年間ますます加速 ………
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