墓穴を掘ったしどろもどろ答弁は、実は官邸の指示。だが、日銀内の信頼は失われた。
2006年9月号 POLITICS
世の騒ぎが収まった今も、ひとつ腑に落ちないことがある。 村上ファンドへの資金拠出を問われた福井俊彦日銀総裁が、何故かくも無様な釈明に終始したのだろうか。情報を小出しにせず、最初から率直に語っていれば、事態はあれほど悪化しなかったはずである。 福井総裁が最初に“告白”した6月13日の参議院財政金融委員会を再検証すると、初期対応の異様さが改めて浮かび上がってくる。 場所は参議院第3委員会室。民主党の大久保勉議員から偶然にもファンドとの関係を問われた福井総裁は、実に7分10秒もの時間をかけ、村上世彰との出会いを延々と振り返り、最後になってようやく1千万円の資金拠出を認めた。このあと共産党の大門実紀史議員の追及にも、のらりくらりと長広舌をふるい、委員長に「端的に答弁するように」とたしなめられる場面すらあった。 答弁逃れともみえる不明朗な説明は、さらにエ ………
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