「安倍新官邸」の泣き所 内閣府の人事暗闘

幹部異動に不満爆発の人事課長が官房長官に直訴。たちまち更迭された事件の真相。

2006年9月号 POLITICS

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「改革や将来ビジョンを描く仕事を進める上では、異なるバックグラウンドを持つ多様な職員がそれぞれのアイデアを持ち寄り、組織として総合力を発揮することが重要です」 8月初旬、内閣府ホームページの「採用案内」でこんな「人事課長からのメッセージ」にたどりついた。笑顔の主は「人事課課長・須江雅彦」。ブラックジョークと言うほかない。自ら仕切るべき夏の定期人事を目前にした6月13日、在任わずか10カ月で更迭された人物だ。「多様な職員」を巡る確執が原因だった。 首相官邸は安倍新政権をにらむ内閣府人事で事務次官だった江利川毅(昭和45年厚生省入省)の後任に内閣広報官の内田俊一(47年建設省)を起用。その次の次官含みで少子化対策担当の政策統括官(局長格)には内閣総務官の柴田雅人(49年厚生省)と、首相・小泉純一郎の直属の部下2人を送り込んだ。

「内閣府は使えない……」

 小泉は橋本行革の果実で ………

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