アーミテージ“失脚”の得失

2006年10月号 連載 [隗より始めよ]

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 ワシントンの「知日派」の総元締めといえば、リチャード・アーミテージ元国務副長官である。ブッシュ・小泉の蜜月関係ばかりが目立ち、すっかり細った日米のパイプの中で貴重な存在だった。日本の閣僚、国会議員や大物官僚がワシントンに行けば、与野党問わず必ずアーミテージ詣でをして意見を拝聴した。 その彼が窮地に立っている。イラクの大量破壊兵器をめぐりブッシュ政権を批判した元外交官の妻がCIA工作員と暴露された「身元漏洩」問題で、アーミテージ氏がコラムニストに実名を喋った漏洩源だったことが判明したからだ。 この問題では「ホワイトハウスのドン」チェイニー副大統領の首席補佐官だったリビー氏が昨年、偽証罪などで起訴されて失脚している。リビー氏は日本の駐米大使館にとって、ホワイトハウス最後のよりどころだったから、残る頼りは「アーミテージさん」ひとりで、それをも ………

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