問いかけながら「山」に登る
2006年10月号 連載 [経営者のひきだし 第6回]
「命を下す前に、まず人のいうことに耳を傾けることである」 数々の名言を残した松下電器産業の創業者・松下幸之助さんは、組織を動かすうえでコミュニケーションの大切さを、こう語っていた。 世の中には、自分が考えていることは相手も分かっているはずだ、と思い込み、むやみに部下に命令する経営者がいる。だが、相手がその真意をきちんと理解していないと、結果は意図せざるところへいってしまう。まずは相手の話を聞き、そのうえで問いかけてみる。もし、自分が考えていることと同じ答えならば、「それでいい」で終わる。仮に違う点があれば、相手が気づいていないところを教えてあげ、納得させる。 意思の伝達には、努力が要る。そんな努力に、毎日を傾けている経営者と言えば、この人が浮かぶ。 黒川博昭さん。 富士通の社長になって、4年目を迎えている。昨春から、約60人いる本部長クラ ………
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