イスラエルがヒズボラに「判定負け」

2006年10月号 連載 [「軍略」探照灯 第6回]

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 7月12日から8月14日まで34日間続いたレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラとイスラエル軍の戦闘は、停戦後双方が勝利を主張した。だが本質的にゲリラ側は大敗さえしなければ勝ち、侵攻した正規軍は制圧に成功しないと負けだ。イスラエル有力紙「ハアレツ」の世論調査(8月11日付)で「勝っている」が20%、「負けている」が30%、「どちらも勝っていない」が44%、というのは妥当な判定で、イスラエル軍は自国の審判に判定負けを宣告された形となった。 今回のレバノンの戦争は双方とも決戦を意図したわけではなく、誤算の応酬で意外な規模の紛争となった。先に手を出したのはヒズボラだ。7月12日に越境攻撃し、哨戒陣地のイスラエル兵8人を戦死させ、2人を捕虜とした。 ヒズボラは1982年のイスラエルのレバノン侵攻、占領に対し、イランの援助で生まれた抵抗組織で、83年10月、ベイルートの米海兵隊 ………

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