2006年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
粗鋼生産量世界3位の新日本製鉄の国際戦略が迷走している。同首位のミタル・スチール(オランダ)による同2位アルセロール(ルクセンブルク)買収に必要以上に身構えて、新日鉄はアルセロールとの米国での自動車用鋼板生産の合弁強化で「ミタル宥和」に努めるかと思えば、アジアでは同4位のポスコ(韓国)との資本・業務提携強化でミタルのアジア「侵略」を防ぐ構えだ。 一方で手を結び、他方で襲来に備えて守りを固める。よく言えば「全方位外交」だが、実態は迷走に近い。国内では敵なしの「仕切り屋」ではあるが、海外の強豪には首をすくめているようにも映る。あたふたと矛盾した手を打つ姿に「ミタル側も『新日鉄が友達なのか敵なのか、よく分からない』と困惑している」(鉄鋼貿易筋)との見方もある。ポスコ関係者も「新日鉄はミタルにつくのか、こっちにつくのか」と不信感をあらわにする。 ………
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