朱に交われば赤くなる。中国企業の不正横行に、世界4大会計事務所も今や泥まみれ。
2006年11月号 GLOBAL
中国人のW君(25)は、2年余り勤務した北京の徳勤会計事務所(デロイト・トウシュ・トーマツ)を最近辞めた。得意の英語を生かして世界4大会計法人の一つに入社し、下積みの会計補助員に始まって着々と昇進を遂げ、新彊ウイグル自治区に長期出張して一人で会計審査を行えるまでになった。ところが、激務で20キロも体重が増加、腰痛に耐えられなくなって退職――。日本でもありそうな話だが、“激務”の中身はまったく異なる。 その体験を聞くと、中国企業社会の根幹をなすはずの会計事務所が、相対的には信用度の高い外資系ですら、粉飾に「染まっている」惨状が明らかになる。現に徳勤は、中国の家電大手「広東科龍電器」の粉飾を手助けしたとして科龍の株主から訴えられているのだ。 徳勤のスキャンダルはこれが初めてではない。1996年、安徽省のある上場企業の会計審査で5910 万元の脱税を幇助した。 ………
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