「中村公約」撤回松下電器の憂鬱

復活なった家電の王者だが、拡大路線の「解」見えず。

2006年12月号 BUSINESS

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「まずオリンピックに出場しなければ。メダルの色はそれから決めればいい。入賞(メダルなし)ということもありうる」。10月27日、東京で開かれた松下電器産業の2006年9月中間期決算発表の場で、社長の大坪文雄はこう口火を切った。メダルというのは前社長の中村邦夫が掲げた「2010年までに連結営業利益率を10%に引き上げる」という中期目標。しかし、今年6月に専務から社長に昇格した大坪は、初の決算発表という晴れ舞台で、前任者が定めた目標を撤回する形となった。 大坪は4月から約3カ月続いた「社長修業」期間中に考えた。主力の「AVC(映像音響・情報通信)」や「アプライアンス(白物家電)」に頼る「一本足打法」的な経営には限界がある。全体的な底上げや拡大路線なしに、今の状況では到底10%は無理だ、との結論に至った。 今中間期決算での営業利益率は4.7%。毎年1%程度を積み上げ回復 ………

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