2006年12月号 連載 [「軍略」探照灯 第8回]
自民党政務調査会長・中川昭一氏が「核保有に関する論議をすべきだ」と再三発言し、アメリカでも持論を述べていることに対し、安倍総理らが当惑しつつも「個人的に研鑽、発言するのは止められない」と言うのは、もし与党の政調会長が一個人であるなら、正しいだろう。私のように40年近く防衛・軍事問題を考え、ときに海外の安全保障問題の研究機関に身を置き、外国の軍事研究者たちと論議してきた者にとっては、日本人のほとんどが核兵器について「知らず、語らず、考えず」という“もう一つの非核三原則”を堅持してきたことは奇妙にすら感じられる。 核兵器が現実に存在し、それが安全保障に決定的重要性を持つ以上、核について知識を持ち、考え、語ることは非難されるべきことではない。むしろ知れば知るほど、核武装が日本にとって安全保障上プラスよりマイナスとなる要素が多いことが浮かび上がって ………
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