イランとシリアを抱擁し、かつ分断を策す米国の「一石二鳥」。だが、現実はあまりに出口なきカオス。
2007年1月号 GLOBAL
中東全体、とりわけイスラエル・パレスチナ紛争の和平が、にわかに前進する可能性が出てきた。あくまでも希望の光が見えた、としか言えないが、悲惨な現状を考えれば何がしかの意味はあると言える。 希望が芽生えたのは、11月の米国の中間選挙で民主党が上下院とも勝利し、イラク政策の見直しをブッシュ大統領が迫られたからだ。新たに指名された国防長官ロバート・ゲーツ氏は、プラグマチストとして知られ、駐留米軍のイラク撤退に向けて新思考をもたらすと期待されている。ゲーツ氏も加わっていた超党派のイラク研究グループは12月6日シリアとイランを敵視する従来の米国の政策を転換、両国と直接対話を進めることを提案した。 最大の目的は、もちろんイラクでの流血を終わらせるため、両国の協力を得ることだ。それによってシリアとイランは、国際社会で孤立状態から脱することができる。 もう ………
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