企業を窒息させる煩瑣な「内部統制」。言い出しっぺの米国が緩和するのに、馬鹿正直は日本を滅ぼす。
2007年1月号 COVER STORY [企業ガバナンス]
内部統制――旧ソ連かナチスの秘密警察を連想させるような奇妙な言葉が、日本の企業関係者の間で飛び交っている。煩雑すぎるこの新制度が、ほとんど企業を窒息させかねないことに、なぜか誰も気づかない。 内部統制とは何か。企業内部で違法行為や不正が行われないよう、各業務部門で基準や手続きを定め、管理や監視を行う一連の仕組みのことである。一見ごもっともな話。メーカーから金融機関まで企業不祥事が相次いで、内部の管理体制を固める必要が出てきたのは確かだろう。でも、そればかりではない。要は米国の猿マネにすぎないのだ。 IT(情報技術)バブル崩壊後の2001~02年に破綻したエンロン、ワールドコムの粉飾事件で、米国では市場に企業統治(コーポレート・ガバナンス)改革を迫られて02年に「サーベンス・オクスリー(SOX)法」(企業改革法)を制定した。遅ればせながら、日本でも金 ………
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