時代遅れの競争政策に与党・産業界が見直しを迫るが、そこには「番人」が立ちはだかる。
2007年1月号 BUSINESS
新日本製鉄の関連会社「日鉄鋼板」「日鉄建材」の2社と住友金属工業の関連会社「住友金属建材」の建材薄板部門の事業が12月1日に統合された。だが、この統合は当初、10月1日を目指していた。5月30日の基本契約締結時には10月1日付の統合を決定し、すでに3月からは公正取引委員会に概要を説明していた。7月中旬には公取委への説明を終えたが、その後詳細審査に移ることになり、統合直前になって、その時期を先送りせざるをえなくなったのだ。 一部の商品で市場シェアが70%を超えるものがあり、審査に時間がかかったためだが、経済産業省幹部は「こんなことでは、激しい競争のもとで、すばやいM&A(企業の買収・合併)への対応は難しい」と話す。
世界的な大合併時代に入り、ライバル企業が巨大化する恐怖感が、企業経営者にM&Aへと走らせている。M&A戦略で後手に回れば、一気にライバルに突き ………
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