2007年3月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第11回]
大学の私の授業でライブコンサートをやった。「魂のライブ 歌手山崎ハコの世界」と題した本格的なコンサートである。準備をすべて私と学生たちで行ったことと、出演者のギャラもなし、聴衆の入場料もなし、という点を除けば、本格的なコンサートと遜色のない、いやむしろそれ以上に心の通ったコンサートになったのではないかと思う。 早稲田大学の大学院でいくつか担当している講義の中に「トップセミナー」と題するものがある。私の前任者の筑紫哲也教授の時代から続いているのだが、各界の個性的な人を招いて話を聴き、それをもとに議論するというものである。政治家、経済人、学者、作家、スポーツ関係者などを招いてきたが、今年度の最後の授業に、山崎ハコ・コンサートをやりたいと考えた。 だれか歌手を招いてコンサートを、というのではない。山崎ハコライブでなければならなかったのだ。30 ………
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