トステムの身勝手人事にINAXが無言の抗議

2007年4月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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トステムとINAXを傘下に持つ建材大手の持ち株会社、住生活グループが一時、次期社長がいないという異例の事態に陥った。背景にはトステムの性急な世襲人事と、そのとばっちりを受けたINAXの反発があるようだ。経営統合から5年半。いまだにぎくしゃくする両社の関係がこの件で浮き彫りになった。

事の発端は昨年11月、トステム創業者の潮田健次郎氏が住生活Gとトステムの会長を退き、後任に長男の洋一郎氏(53)を据えた人事。洋一郎氏が動きやすいようにと、健次郎氏を含め、住生活Gの古株の取締役4人が6月に退任することになった。その中にはINAX出身の水谷千加古(ちかひさ)社長(68)も含まれていたが、住生活GはINAXが後任を機関決定する前に4人の退任だけ発表してしまったため、次期社長は未定という形になった。

互いの連絡が不十分だったというのが表向きの理由だが、2代目への禅譲というトステム側の事情で水谷社長が退任させられるINAXには不満もある。水谷氏の後任の住生活G社長には結局、INAXの杉野正博社長が内定したが、次期社長をすぐに出さなかったのは、身勝手な世襲人事への無言の抗議という見方もある。

   

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