2007年5月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
中川秀直幹事長の孤立がいよいよ際立ってきた。政権発足以来、「二人三脚」態勢を組んできた二階俊博国対委員長が、そろりと距離を置き始めたからだ。小泉前内閣で経済産業相として閣内にあった二階氏は昨年9月の安倍政権の発足に伴い、国対委員長に転じた。背景には、小沢一郎民主党代表とともに自民党を離党した過去を持つ二階氏が、小沢氏の手の内をもっとも熟知していると、中川氏が強く推したからといわれる。 しかし、二階氏はこのところ「中川氏にあまり連絡せず疎遠になっている」(自民党筋)と囁かれる。支持率低下に苦しむ安倍内閣が、夏の参院選で惨敗するのを見越して「党執行部に責任を押しつけられてはかなわない」ということらしい。
さらに、二階氏は3月に、安倍政権に批判的な山崎拓前副総裁と加藤紘一、古賀誠両元幹事長の新「YKK」の会合にも出席。安倍首相の周辺を固める超保守派や、小泉改革の骨抜きを目論む自民党参院側との主導権争いに割って入ろうとする中川氏にとって、二階氏との連携が崩れつつあるダメージはきわめて深刻だ。