「蜜月」が終わりを告げた。国連安保理での最終地位確定に、プーチンが突きつけた「ノー」。
2007年5月号 GLOBAL
ベルリンの壁が崩壊してから、唯一の超大国として残ったアメリカと、超大国の座は降りたが経済も軍事も復権著しいロシアとの間で、18年近く続いた「蜜月」が終わりを告げた。ロシアのプーチン大統領は2月10日、ミュンヘンで開かれた安全保障会議で、アメリカが自らを世界の中心とする政策で世界を一極化していると述べ、激しく非難した。そして3月26日。1999年以来、国連暫定統治下にあるバルカン半島のコソボ自治州について、マルティ・アハティサーリ国連事務総長特使(前フィンランド大統領)が、安全保障理事会に条件つき独立案を提出した。米国や欧州連合(EU)加盟国はこれを強く支持しているが、プーチン大統領は「ニェット」(拒否)の姿勢を見せたのだ。同月28日、プーチン大統領はブッシュ米大統領と電話会談に臨み「コソボ住民の大多数を占めるアルバニア系住民とセルビア政府双方が合意しな ………
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