いつか見た光景。無理な貸し込みが致命傷。損失が大手銀や投資家に逆流するが、激震度は?
2007年5月号 BUSINESS [水脈ウォッチャー]
サブプライムローン(Subprime loan)。聞きなれない言葉が新聞の紙面に躍っている。サブプライムとは、文字通り信用度の低い人たち向けの住宅ローンのことだ。が、米経済の牽引車だった住宅部門のアキレス腱はここにあると言ってもいい。4月2日、デラウェア州ウィルミントンの裁判所に連邦破産法11条の適用を申請し、破綻した米住宅金融会社ニューセンチュリー・フィナンシャルこそ、サブプライムの名を広めた「立役者」だろう。短期金利の誘導目標であるフェデラルファンド(FF)金利が年5. 25%まで引き上げられて住宅ローンの金利が上昇し、焦げ付きが膨らんだのが破綻の理由だが、通り一遍の説明では実感がつかめない。日本のバブル末期にも起きたような強烈な貸し込みが致命傷になったのだ。同社が2006年に実施した住宅融資と融資債権購入は、わずか1年で計600億ドル(約7兆円強)。この与信は199 ………
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