自治体「退職手当債」乱発の全容

遂に41道府県が退職金を借金で支払う異常事態。急場しのぎにもほどがある。

2007年5月号 DEEP

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「退職手当の支払いピークは8年後の2015年まで続く。退職手当債を出さなければ、職員に退職手当を支払えない事態に陥る」07年度当初予算編成を終えた千葉県の財政担当者は、今後も続く苦しい台所事情にため息をつく。同県が本年度当初予算案に盛り込んだ退職手当債は、前年度当初比で140億円増の200億円だ。退職手当債は、地方財政法の特例措置により、地方公務員の退職手当の増加に対応するために発行する地方債。職員数や人件費の削減に取り組む自治体が対象で、都道府県は総務相が、市町村は都道府県知事が許可する。これまで早期退職者に限って特例的に発行が認められていたが、06年度から10年間、定年退職者の退職手当に充てる地方債発行が解禁となった。通常の地方債は、返済の一部を国からの地方交付税で穴埋めすることができるが、退職手当債は自治体の負担で全額返済しなければならない。この ………

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