低金利ゆえの地価の「合理性」

2007年5月号 連載 [隗より始めよ]

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公示地価の全国平均が16年ぶりに前年比プラスとなるなど、土地デフレにも明確な終止符が打たれたようだ。とりわけ東京都心部のように、人口や経済活動が集積する地域の地価は、軒並み二ケタ上昇を記録するなど、その騰勢が強まっている。筆者の自宅近くの東京・麻布十番商店街でも、地上げの攻勢が激しい。カネ余りの中で、ファンドを中心とする不動産市場への資金流入は、活発だ。取引現場には過熱感が漂い、ずさんな鑑定や値上がり益狙いの投機的取引に関する噂も、頻繁に飛び交う。これはバブルの再来ではないのか。これに対し、3月20日に行われた記者会見で日銀の福井俊彦総裁は「全体としてみれば、地価はその土地が将来生み出すであろうキャッシュフローの割引現在価値の範囲内での変動から、著しくはみ出すリスクを感じるというところまではいっていない」と語っている。地価の現状は、おおむね ………

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