仏大統領選のカギは 「暴動」と「移民」

極右ルペンが決選に残った5年前の”悪夢”は今も。治安優先のサルコジは憎悪の的だが。

2007年5月号 GLOBAL

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5年前の2002年である。4月21日午後8時、フランス大統領選第1回投票の開票速報を待つ人々が、全土でテレビにかじりついていた。中道右派の現職大統領ジャック・シラクと、その政権下で「コアビタシオン」(保革共存)の首相を務めた左派のリオネル・ジョスパンの両雄が対決していた。伝統的な左右対決の図式で残る問題は両候補の票差だけとされていた。予想は見事に覆った。国民は決選投票(第1回投票で過半数を得る候補がいなかった場合、上位2人で再投票する)に残った候補の顔を見て愕然とした。シラクに挑む人物は本命と目されたジョスパン候補ではなく、外国人排斥を掲げる極右政党のジャン=マリー・ルペンだったからだ。全国で反ルペンのデモが発生した。欧州連合(EU)の立役者を自任してきた国で突如起きたこの衝撃は、似たような問題を抱える欧州全体に広がった。ルペンの支持率は有権者の10~1 ………

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