不振企業を利用した政府系金融機関の「策謀」。そのツケは国民に回ってくる。
2007年7月号 BUSINESS
「株式会社日本政策投資銀行法」が6月6日、参議院で可決され、成立した。これで政府系金融機関の日本政策投資銀行は2008年10月、株式会社(国が100%株式を保有する特殊会社)になる。移行期間を経て、2013~15年までに国が株式を売却し、完全民営化される。来秋に株式会社化されても、移行期間中の資金調達では、政府からの借り入れや政府保証は続く。実質的に「特殊法人状態」で温存されるのと変わりない。完全民営化されれば、すべて自力調達となるため、格付けなどの財務体質、すなわち経営力が厳しく問われるようになる。政投銀は言わずと知れた財務省の天下り先。小村武総裁は旧大蔵省の元事務次官。ぬるま湯的かつ我田引水の「役人経営」から脱皮するには痛みも伴う。そこで、政投銀や財務省では今、「どうにか移行期間を先延ばしできないかといった『策謀』が練られている」(政府筋)という。 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。