謙虚とタフと優しさと
2007年7月号 連載 [ひとつの人生]
「最後の財界人が逝った」5月22日に亡くなった元経団連会長・元東京電力社長の平岩外四さん(享年92歳)の訃報記事に、こんな表現があった。過去何度も目にしてきたフレーズだが、今度ばかりは頷いた。同時に、ある財界人が思い浮かんだ。中山素平さん。元日本興業銀行の頭取で、平岩さんより8歳年上だった。05年11月、1年半先に99歳で亡くなっている。2人は、多くの点で対照的だった。平岩さんは、愛知県・常滑出身の大正生まれ。東京帝大(現東大)卒の電力マン。経団連副会長を長く務め、75歳で会長に就任。読書家で沈思黙考型だった。一方、中山さんは東京都出身の明治生まれ。東京商大(現一橋大)卒の銀行マンで、40歳代で経済同友会の代表幹事をこなし、後年は政財官学の舞台裏で活躍。「財界の鞍馬天狗」と呼ばれた行動派だ。これだけ違う2人だったが、互いに深く尊敬し合い、頼りにもし合って ………
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