2007年7月号 連載 [「軍略」探照灯 第15回]
アジア・太平洋地域の全米軍部隊を統括する米太平洋軍司令官ティモシー・キーティング海軍大将が5月に中国を訪問し、曹剛川国防部長、呉勝利海軍司令員ら中国軍首脳と会談、その後の12日に北京での記者会見で「中国が航空母艦に関心を持つことは理解できる。もし開発を決めればアメリカはお手伝いしたい」と述べたことは日本のメディアで報じられず、防衛省も5月末に私がそれに対する反応を問い合わせてから初めて調べ、確認した。実は私も記者会見の2週間後に民間の軍事問題の研究者から「VOANews.comにそんな記事が出てました」と聞いて驚いた。「情報収集でもっとも大事なのは公刊情報を丹念に集めること」という鉄則を再確認した次第だ。VOA(ヴォイス・オブ・アメリカ)は米政府の対外広報放送だから、米国高官の記者会見での発言を歪めて伝えるはずはない。防衛省は米太平洋軍のホームページで記 ………
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