2007年7月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
英系の大手CD・DVD販売、HMVジャパン(本社・東京)が売りに出され、最大手のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)や、タワーレコードジャパンを傘下に収めたNTTドコモなどが関心を示している。熾烈な争奪戦が展開されそうだ。
HMVが日本市場から撤退するのは、「iPodなど携帯音楽プレーヤーや携帯電話の普及で若者のCD離れが急激に進んだ」(大手レコード制作会社)ため。日本レコード協会によると、2006年にインターネットや携帯電話を通じて配信された音楽の売上高は534億円に達し、シングルCDの生産額508億円を初めて上回った。
「TSUTAYA」店をチェーン展開するCCCは05年に英系のヴァージン・メガストアーズ・ジャパンを完全子会社化。06年には国内2位の新星堂に資本参加するなど、M&Aに積極的。HMVを自陣に取り込み、市場の寡占化で一人勝ちを目指す。一方、ドコモは「携帯と音楽のユーザーは相性がよい」(幹部)と相乗効果を狙い、豊富な資金力を武器に、CCCの独走を阻止する構えだ。