外交で窮地の米国は、思い切ってプーチンの対案に乗るべし。「信頼せよ、されど検証せよ」。
2007年8月号 GLOBAL
米国とロシアの関係は衝突か、対決か、それとも崩壊に向かうのか。修復は可能なのだろうか。米ロ首脳会談が7月1~2日、米国東部メーン州ケネバンクポートのブッシュ家の邸宅で開かれた。晩餐には名物のロブスターが振る舞われて「ロブスター・サミット」の愛称がついたが、この会談でブッシュ大統領とロシアのプーチン大統領は、両国間が今後衝突しそうな重要懸案を話し合う機会を得た。しかし少なくとも公表された限りでは、このサミットは懸案事項で大きな合意に達することはなく、両国の指導者が互いに敬意と好意を確認しただけで、中身より見栄えだったことが明らかになった。直近の米ロ関係悪化の「最大の棘」(causes célèbres)は、米国がチェコにミサイル感知レーダー配備と、ポーランドに迎撃ミサイル10基配備を計画したことだった。おそらく現実化することのない遠方のイランの脅威、あくまで ………
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