北朝鮮系信用組合に初のペイオフ発動か

2007年8月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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朝鮮総連中央本部をめぐる詐欺事件で緒方重威・元公安調査庁長官の逮捕は、捜査当局の背後に横たわる闇を窺わせた。事件の端緒となった整理回収機構(RCC)の朝鮮総連に対する約627億円の債務返還訴訟は、東京地裁判決でRCCが勝訴したことで、朝鮮総連中央本部が入居する朝鮮中央会館は事実上、RCCに差し押さえられた。この結末が思わぬところへ飛び火する可能性が出てきた。北朝鮮系の信用組合に対する「わが国初のペイオフ発動」である。1997年5月、北朝鮮系の信用組合である朝銀大阪が経営破綻し、その受け皿として近畿地区の5朝銀(滋賀、奈良、和歌山、兵庫、京都)と経営統合した朝銀近畿が発足した。翌98年には、この朝銀近畿に政府は約3100億円の公的資金を投入。これを皮切りに全国で朝銀が経営破綻し、そのつど、公的資金が投じられ、政府が北朝鮮系信組に投じた公的資金総額は1兆3600億円に ………

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