「敢えて先に立たず」の老子流
2007年9月号 連載 [経営者のひきだし 第17回]
マネーゲームが、過熱している。円を借りて外貨に換え、海外に投資する円キャリー、投資ファンドなどによる相次ぐM&A。巨額の金余り状況に、この機を逃すな、とばかりの「逸(はや)り」が続く。なぜ、そんなにつんのめるのか。「不敢為天下先」(敢(あ)えて天下の先(せん)たらず)――中国・春秋時代の思想家・老子の教えをまとめた『老子』に収められている、戦乱の時代を生き抜く知恵の一つだ。曰く「先頭に立つと、どうしても譲るまいとして無理をする。やがて疲れ果て、脱落する。それに、先頭に立つと、標的にされやすい。それを警戒し続け、神経をすり減らして自滅する」。そう、したたかに生き抜くには、そんなに先を争うことはない。限られた年月に、是が非でも成果を出したいと思う経営者には、縁遠い心得であろう。だが、それを、じっくり実践している経営者がいる。岡本圀衞さん。生命保 ………
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