東京都の官業民営化は外郭団体のための方便

2007年9月号 連載 [LOCAL EYE]

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7月号の本欄で「出来レース」と書いたように、東京都の四つの文化施設(江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、東京文化会館)の指定管理者の候補者に都の外郭団体である東京都歴史文化財団を中心とする官民グループが決まった。「コスト面よりも事業内容を重視した結果」と都が説明するように、すでに管理委託先となっている財団サイドに有利な選考になった。財団が有力民間企業と組みグループで申請したこと自体、都が表明している文化事業の抜本改革とはかけ離れたものだったが、他にも首をかしげたくなるような問題点が少なくない。指定管理者制度の理念ともかかわる問題が江戸博、写美、現美の3施設の一括運営だ。都は3施設については一括して運営する指定管理者を募集したはずだが、内定した財団グループで飲食事業の役割を務めるアサヒビールが実際に手がけるのは江戸博の店舗(レストラン3店 ………

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