2007年9月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
参院選でひときわ注目を集めた東京選挙区。自民党は現職だった保坂三蔵氏(68)に加え、新人の民放アナ・丸川珠代氏(36)を追加擁立。敗れた保坂氏は、実はこれまで選挙に負け知らず。73年から都議会議員を連続6期務め、95年の参院選で東京選挙区から当選。3期目を目指していたが、党組織基盤の弱体化で2候補への票配分が読めなくなり、苦杯を喫した。
その保坂氏だが、早くも次期衆院選への出馬待望論が出ている。カギを握るのは保坂氏が「師」と仰ぎ、選対本部長を務めた深谷隆司衆院議員(東京2区、当選9回)。深谷氏は東京下町を地盤にしてきたベテラン代議士だが、2000年総選挙で現職大臣落選(当時通産相)の憂き目に遭い、03年の選挙でも再び落選、一時は政界引退も考えたが、一昨年の郵政解散選挙で思わぬ返り咲きを果たした。しかし、過去3度も落選するほど選挙に弱く、地元の自民党支持層にも「深谷アレルギー」は根強い。5年の浪人生活を経て政界復帰したものの、すでに過去の人だ。一方、実力派の保坂氏の落選を惜しむ声は大きく、次期衆院選東京2区で「深谷勇退、保坂リベンジ」のシナリオが現実味を増しそうだ。