2007年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
今年7月に出版された葛西敬之・東海旅客鉄道(JR東海)会長の著書『国鉄改革の真実』が波紋を広げている。「宮廷革命(権力闘争)と社員・国民への啓蒙運動の側面を持った国鉄改革の全貌」と銘打ったこの著書で葛西氏は、JR東日本を国鉄改革「成功」のシンボルにすべく「看板会社構想」が進められ、そのためにJR東海がさまざまな不利な扱いを受けたことなどを明らかにしている。これに猛反発しているのが、ヤリ玉に挙げられた当のJR東日本。「国鉄改革の真実どころか、あくまで『葛西史観』。誤解や曲解がヤマのようにある」と元幹部は憤懣やる方ない様子。返す刀で「実現性が危ういリニア構想に年間3千億円も注ぎ込んでいる。先行きは株主代表訴訟の餌食になりかねない」などと口さがない。JR両社の間には、関係者でなければわからない近親憎悪が横たわっているようだ。葛西氏は安倍晋三首相の知恵袋と ………
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