終止符を打った「核のアパルトヘイト」。だが、パキスタンという難題にまだ何の解もない。
2007年10月号 GLOBAL
アメリカとインド両国が7月下旬に最終合意した民生用核エネルギーをめぐる「原子力協力協定」は、文面以外にはるかに重要な含意を隠している。そこに真実がカモフラージュされているからだ。とはいえ、見破れないほどみごとな擬態ではない。米印とも核の抱擁という明らかな動機と一連の理由があるのだ。インドは1998年、核実験を実施して核兵器保有国を宣言して以来、国際社会から制裁措置を受け、核関連物質や製品の輸出制限先になるという「核のアパルトヘイト」下にあった。それにインドは終止符を打ちたがっている。もちろん、核燃料の枯渇に脅かされて軍事的な要請に応じられなくなることのないよう、核燃料の供給を確保したいのだ。この協定により、インドは核兵器の増強を望めば可能な立場になった。デリーの現政権は厳格な査察体制を受け入れ、将来は核実験を実施する権利でも妥協し、(イラン ………
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