「鬼の金融庁」が競争力重視へ豹変

佐藤新長官が掲げる「ベター・レギュレーション」。金融界は戸惑うが、範はロンドンにあり。

2007年10月号 BUSINESS

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金融機関から「泣く子も黙る」と恐れられてきた金融庁が、大きく変身しようとしている。近年は容赦なく業務改善命令を発し、トップ辞任や他行との合併に追い込む事例が相次いだことから「金融処分庁」と陰口を叩かれたこともあったが、この7月、五味廣文長官に代わって佐藤隆文氏(前監督局長)が新長官に就任すると、にわかにソフトな顔を見せ始めた。佐藤新長官が唱えたキャッチフレーズは「ベター・レギュレーション」(金融規制の質的向上)。ところが、この看板、関係者には今ひとつピンとこない。7月10日の就任会見でも記者たちはポカンとしていたし、銀行、保険、証券など業界団体回りでも、居並ぶトップたちは怪訝そうな顔で聞いていた。長官は訴えた。「日本の金融資本市場も国際競争力を強化しなければならず、そのためには金融部門の変化に合わせて金融機関の自己責任と自助努力を引き出すよ ………

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