三菱UFJが「ボッタクリ」「ニコス」上場廃止の狡猾手口

少数株主の利益を蔑ろにした完全子会社化にブーイングの嵐。東京証券取引所の警告が注目される。

2007年11月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

M&A旋風が吹き荒れる中で、個人株主は防波堤にされたり、障害物扱いされたり、その時々の資本の都合に翻弄される。資本そのものが商品となる金融界では、それが際立つ。初の外資による三角合併がシティグループによる日興コーディアル証券の完全子会社化、上場廃止というのは象徴的だ。さすがに世界のシティは、コーディアルの少数株主に買い取り条件で一定の配慮を示している。これに比べて、先に発表された三菱UFJフィナンシャルグループによる三菱UFJニコスの完全子会社化、上場廃止計画は、ブログなどで「ボッタクリ」(社員株主)と非難されるほど狡猾かつ冷酷である。その冷酷さは発表のタイミングから記者会見の演出、完全子会社化や上場廃止に至るすべてにわたっている。

自己都合の策を弄す

まず発表のタイミングだが、「過払い利息返還請求のピーク」(大森一廣UFJニコス社長)という最悪期を選んでいる。この ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。