諸葛亮<上>

三顧の礼に感激する

2007年11月号 連載 [第二の男]

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中国は紀元184年、黄巾の賊が一斉蜂起した。後漢王朝十二代霊帝の御世だ。信仰集団の太平道を組織した張角が、農民ら数十万の信徒を集めて起こした大反乱である。後漢は六代安帝のころより落日の勢いを速める。宮廷では外戚と宦官が争い、天災と飢饉が世情を不安定にし、暴動・反乱が頻発していた。張角はすぐに死ぬが、動乱は続き、賊を制圧する過程で群雄割拠となり、曹操、袁(えん)紹(しよう)らが頭角を現した。そこに劉備が登場する。前漢皇室の後裔を称して人徳もある彼は、豪傑の義兄弟、関羽・張飛と優れた軍師の諸(しよ)葛(かつ)亮(りよう)(孔明)らに助けられ、多難を切り抜け、荊(けい)州を基盤に蜀を攻め取り、蜀の皇帝になって魏・呉・蜀の三国鼎立を実現する。血わき肉躍る『三国志』の世界だが、世に知られた物語は史実ではない。『三国志』は、晋の歴史編纂官の陳寿が編集 ………

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