2007年11月号 DEEP [ディープ・インサイド]
東京渋谷区の表参道ヒルズ近くの土地をめぐって架空の売却話を持ちかけ、不動産投資ファンドから11億円をだまし取ろうとしたとして、フリージャーナリストの二瓶絵夢容疑者(31)や米田建三元衆院議員らの秘書だった市川和久容疑者(45)らが9月26日、詐欺未遂と有印私文書偽造・同行使容疑で、東京地検特捜部に逮捕された。
地価が高騰している表参道ヒルズ周辺の地上げを計画し、ファンドとは別の商社グループからは5億5千万円を引き出したことが明らかになっている。この事件の最大の問題は、5億5千万円のうち数億円の行方が分からなくなっていること。
関係者によると、二瓶容疑者は周辺に「政治がらみでカネがいる」と話していたという。二瓶容疑者らと親しかった政治家側に巨額の詐取金が渡った疑いが浮上し、東京地検の八木宏幸特捜部長は「詐取金の流れを徹底的に解明しろ」と指示したとされる。
二瓶容疑者は北朝鮮による日本人拉致問題を中心に、月刊誌などに記事を執筆し、自民党の山崎拓前副総裁や平沢勝栄衆院議員が、中国の大連で北朝鮮高官と会談した際に同行していた。民主党の幹部らとも親交があったと言われている。元議員秘書の市川容疑者も政界との関係が深い。
2人が仕掛けた工作の内容がどこまで明らかになるか。二瓶容疑者らの再逮捕が予想される10月中旬以降、特捜部の矛先が政界へ向かうのか、注目される。