今や売上高3兆6千億円の世界に冠たる下請け部品メーカーが、親の心子知らずで独り歩きを始めたら……。
2007年11月号 BUSINESS [操縦不能の下請け]
1969年から毎月1回、愛知県豊田市のトヨタ自動車本社では、グループ主要企業の社長が集まる「朝の会」が開かれる。円卓を囲んで座る出席者。議長席に座るのはトヨタ社長の渡辺捷昭だ。その横をグループの源流である豊田自動織機、愛知製鋼など会社の歴史が古い順に並ぶ。トヨタに次ぐ事業規模であっても、デンソー社長、深谷紘一の席は議長席から一番遠い場所にある。グループの「長男格」でありながら、トヨタとは最も離れた存在。今も残る古い序列は、トヨタとデンソーの微妙な関係を象徴している。トヨタの強さを語る時、必ず引き合いに出されるのが系列の部品メーカー、デンソーの存在だ。社名の元となった電装部品をはじめ、カーエアコンやカーナビゲーションなど世界1位の製品は数多い。目立つことを極端に嫌う地味な会社だが、高い技術力を背景に今では素材から半導体の開発・生産までを手がける ………
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