2007年11月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
我らは「人物本位」で政治家を評価――。公明党の支持母体、創価学会の機関紙「聖教新聞」10月4日付に、こんな見出しの記事が掲載され、政界関係者の話題を呼んでいる。記事は創価学会創立80周年に向けた座談会で、原田稔会長をはじめ正木正明理事長ら6人の幹部が出席。福田内閣の発足について原田会長が「期待する声、厳しい注文の声等々、国民の反応はさまざまだ」と指摘。別の出席者が「我が創価学会は、あくまで『人物本位』だ」(正木氏)、「我々は政治団体じゃない。どの政党、どの議員を支持しようが全く自由だ」(山本武副理事長)と強調。さらに正木氏は「特にさんざん応援をしてもらいながら大恩ある支持者を裏切る。逆恨みする。悪党と結託して牙をむく。そういう恩知らずどもとは徹底的に戦おう」と、選挙協力をした自民党を批判したとも受け取れる発言をしている。同記事には、激しく対立してきた共産党について、1974年に結んだ「創共協定」を引き合いに、「池田大作名誉会長は、あれだけ学会を目の敵にしていた共産党とも協調した。どれほど幅があるか。懐が深いか」などとも書かれている。創価学会は将来、自民党が野党に転落し、民主党を中心とする反自民勢力結集の動きが出てくることを想定して、戦略を再構築し始めたのではとの憶測も出ている。