パリの「貸し自転車」制 官民複合モデル大成功

2007年11月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]

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パリ市が排ガス削減対策として7月に導入した貸し自転車制度「ヴェリブ」(Velib’)が成功を収めている。参入民間企業は制度の管理・メンテナンスを担う見返りに、公共スペースに有料で広告を掲載する権利を得る一方で、貸し自転車の利用料収入(年間約33億円)は市の財政に寄与するという、新しいタイプの官民複合事業モデルが効果を発揮しているようだ。

「ヴェリブ」は、利用者がパリ市内750カ所にある発券機からパスを購入して自転車を借り、目的地で返す仕組み。パスの料金は有効期間によって定額(年29ユーロなど)で、自転車を借りた駐輪場から目的地付近の駐輪場に返すまでの時間が30分以内である限り、追加料金は徴収されない。駐輪場おきに乗り換えれば、パリ市内をほぼ無料の感覚で回ることができる。環境に優しいというイメージが人気を呼び、利用回数も9月末時点で1日あたり5万~7万回、制度導入時からの累計では500万回を超えたという。

この制度の管理・メンテナンス事業に参入したのは、日本にも進出して横浜市や神戸市など10都市で事業展開する屋外広告のジェーシードゥコー(JC
Decaux SA)だ。初年度はヴェリブに約9千万ユーロを投資する計画で、駐輪場や特製自転車、管理システムなど一切の管理・メンテナンスを請け負う。パリ市内で同社が権利を持つ広告スペースは1628カ所と前年の倍増になる。

   

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