2008年1月号 連載 [隗より始めよ]
サブプライム問題の影響は、当初の予想をはるかに超えたものになりつつある。震源に当たる米国住宅市場の調整は、これからが本番だ。一時小康を得たかに見えた金融市場は、再び不安定化している。米国経済がリセッションに陥る確率が、5割以上あるとする見方が一般的だ。筆者は、事態は楽観を許さないとみる。その根拠は、大きく二つある。ひとつは、問題の本質が、金融緩和を背景にして膨れ上がったクレジットバブルの崩壊にあることに起因する。長期にわたる世界好景気を演出してきた主役のひとつは、間違いなく金融イノベーションにある。貸出債権の証券化や、資産担保証券に代表されるリスク移転商品市場の発達、あるいはM&A(企業の合併・買収)の盛行が、直接・間接に企業や家計の投資行動を刺激した面は小さくない。その行き過ぎのひとつの象徴が、サブプライム住宅ローンの急膨張であった。調 ………
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