「モンスター」産軍複合体の尻尾

2008年2月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第22回]

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ワシントン郊外にある自宅の電話が鳴った。枕元の時計を見ると深夜2時過ぎだった。「君が掴んだインテリジェンスのとおりだったよ。大統領特別補佐官はホワイトハウスのボスに辞意を伝えていた。だが、この時期になぜ辞めるのか、それが解からない。それでもニュースにはするんだろう」むろん報道する。だが、この電話のやりとりを情報源とはしない。国家安全保障会議のしかるべき高官にあててウラを取ると約束した。「それにしても、ブッシュ大統領が訪中しようという直前に、直接の担当者がどうして唐突に辞めてしまうのだろう」こう水を向けてみたのだが、電話の相手も「ウーン」と唸ったまま答えを探しあぐねていた。同時多発テロ事件から5カ月。テロリストとそれを支援する組織や国家を区別しない――。この「ブッシュ・ドクトリン」が次第に形を整え、アフガニスタンからイラクに攻撃の照準が切り替 ………

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